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2013年10月

SWOT分析に疑問

今月は二次試験の月だ。
二次試験を受験できる人には、うらやましく思うと同時にぜひ頑張ってほしいと素直に思う。

地方の観光連盟の事務局に就職して1年がたった。
ずいぶん濃密な1年だった。
あまりに忙しくて診断士の勉強が手につかなかったことは残念だが、現場に出たからこそ分かることに毎日のように出合え、刺激的な時を過ごさせてもらった。

そんななか、診断士受験にあたって基礎の基礎と言えるSWOT分析について思うところが出てきたので、ここに書いておきたい。

SWOT分析は、言うまでもなく、S(強み)、W(弱み)、O(機会)、T(脅威)を分析することだ。
試験では、SとOが重なる部分を伸ばしていくよう進言することが多い。

最近疑問に思うのは、それ(SとTが重なる部分を伸ばすこと)は、市場が無限に広がっていることが前提になっているのではないか、ということだ。

例えば私が今住んでいる市は、「すぐれた景観がある」というSを持つ観光地があるが、これに「最近外国人旅行者が増えている」というOを単純に掛け合わせると、「外国に対して宣伝・誘客活動をしていくこと」が最も良い今後の方向性となる。

ただ実際には外国人旅行者は円安・円高の動きに左右されやすく、リピート訪問も見込みにくい。無限に外国人旅行者が訪れる可能性があるという前提があれば良いが、実際にはその前提は成り立たない。

むしろ、国内の人口減少が顕著になり始めている今の時代であれば、「悪天候時は客足が鈍る」というWと、「地元客のリピート率が低い」というTを掛け合わせて、「天気に関係なく、地元客にも何度も来てもらえるような環境整備を行う」という方向性を打ち出す方が、身近な対策として有効だったりする。

こういった回答は、試験では丸をもらえるのだろうか?

診断士の勉強は、参考になることも多いのだが、実際に現場で働くようになると、試験の回答を導くような考え方にとらわれてはいけないと、つくづく思うようになっている。

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