震災ボランティアの経験者として(3)~「がんばろう日本」について、など~
【「がんばろう日本」について】
誰に向かって言っているのだろうか?
今回の地震で被災した人たちに向かって言っているのだとしたら、あまりにも無神経だと思う。
家をなくし、家族を失い、放射能におびえ、生まれ育った土地を離れざるをえない人たちの気持ちをきちんと受け止めようとする気があるのだろうか?
こんな標語を垂れ流すマスコミの罪は大きい。
【寄付行為について】
寄付先を慎重に選ぶことを勧める。
多くの方は、日本赤十字社などメジャーな団体に寄付をしているようだが、今回の被災地は相当に広く、支援すべき内容も多岐にわたる。大きな団体といえど、そうそう対応を一手に引き受けられるか、疑問である。
毛細血管のように現地できめ細かく被災者をサポートする団体は数多くある。そんな団体を寄付先の候補に挙げてもよいように思う。もっとも、そんな団体こそ広報活動にエネルギーを割けず、PR不足になりがちなのだが。
寄付する側が、単に寄付をして終わりというのではなく、寄付したお金がどう使われるのか、まで注意して寄付をする必要があるように思う。
個人的には、もう少し様子を見て、寄付先を決めようと思っている。
【ボランティア活動について】
本来なら、多くの一般ボランティアの方がすでに現地に入っていておかしくない時期だ。道路の寸断や、ガソリンの不足、原発事故の後処理のまずさ、などのために、思っていた以上に現地入りが進んでいない。
限られた情報を耳にする限りでは、今はまだ専門職の方が現地入りする時期であり、一般のボランティアが入るのはもう少し待った方がよさそうだ。
阪神淡路の時は、すぐ近くの大阪が無事だったこともあるだろう。物資不足はこれほど長引かなかった。私が神戸に行った震災1ヶ月後などは、お金を現地になるべく落としてほしいから、なるべく現地で多く買い物をしてくれと言われたぐらいだ。今回の被災地に関しては、そこまで回復するのに1ヶ月ではすまなさそうだ。
被災地にもいろいろあると思うが、基本的には、今はまだ医師など専門職の方に頼る部分が大きいと思う。特に手に職のない人間の出番は、もう少し先だ。この震災の復興は、かなりの長期戦になるだろう。半年や1年で済むとは思えない。被災地に送る物資の仕分けをするといった後方支援も立派なボランティア活動だ。
個人的には、日本中が狂奔している時こそ、冷静に事態の推移を見ていたいと思う 。
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