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「会社法の基本を問う」を読んで

 昨年の本試験では経営法務で会社法がらみの得点率が20%しかなかったこともあり、改めて会社法について頭の整理をしようと思っている。

 ただ、学校のテキストを読みなおしても市販の解説書を読んでも、どうも頭がすっきりしない。「要するに○○である」という風に自分の頭の中で知識を再構築できないことが多い。

 そんな時に書店で目をひかれたのが、「会社法の基本を問う」(稲葉威雄・著、中央経済社)だ。

 面白い。

 ただし、難しい。

 例えば株式会社の機関設計についてこんな文がある。「会計監査のみを行う監査役や会計参与の単独設置を認めておきながら、会計監査人単独の設置を認めないのはおかしい」(P81)。

 簡単に言えば、重要なポジションをセミプロに単独で任せることを認めておきながら、プロには単独では任せてはいけないことになっている、そんなことはおかしいのではないか、と言っているわけだ。

 機関設計については様々なパターンがあり、その自由化が会社法のウリなのだが、あまりに複雑で覚えるのがやっとである。覚える作業をしつつなんとなくしっくりこなかった部分をきちんと言い当ててくれてすっきりした。

 他にもたくさんあるが、読んでるこちらが中途半端な知識しか持ち合わせていないため、ここで抜粋すると枝葉末節なことしか言えない恐れがあるのでやめておく。

 著者の稲葉さんという方は、会社法作成の初期の頃に携わったことがあるらしく、とにかく詳しい。また専門の法律家らしく、文章を読みこなすのは素人にはなかなか難しい。そもそもこの本の元の原稿は「企業会計」という専門の雑誌に連載されていたものらしい。

 この本は、会社法の知識がまだ身についていない人間が読むと、会社法を学ぶ意欲が失せてしまうかもしれない。なので、今の段階では「会社法はもともとが分かりにくいんだ。点が低かったのは一概に自分の頭が悪いからじゃないんだ」というなぐさめの道具にでもしておく方が適当かもしれない。

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