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2008年10月

新銀行東京の詐欺事件について

 新銀行東京の元行員が、営業実績のない会社に5千万円を不正融資した疑いで、先日(10/27)逮捕されたとのこと。

 新銀行東京は終わってるな、と改めて実感した。

 気になるのは、この銀行の最大の売りである「スコアリングモデル」が裏目に出ていることである。「スコアリングモデル」とは、簡単に言えばコンピューターを使ったスピード審査のことだ。

 去年勉強した「中小企業政策」では、このモデルはずいぶん高評価だったような記憶がある(科目合格のため、今年は勉強せず)。すなわち、面倒な手続きややたら審査待ちをすることなく、中小企業でもスムーズに短時間でお金を借りられる、と。

 たしかに、「スコアリングモデル」が何かという知識は机上の勉強で得られた。しかしその特徴(スピード審査)が、実はもろさ(甘い審査)につながるということまではなかなか分からない。まして、実際の世の中で詐欺事件にまで発展し、その原資は税金(都税)であるなどということまでは、想像が及ばない。

 今回の事件は、「スコアリングモデル」の長短所を知っている人間であれば、だれでも思いつくものであり、他の行員が5千万円よりももっと小さな規模で日常的にやっていてもおかしくない。

 学ぶということは、単に知識を得るものでなく、それをどう使うか(あるいは、どう使われがちなのか)まで理解する必要があるように思った。

 診断士の勉強再開を決めながら、いまだにモチベーションが上がらない。診断士の勉強は机上の知識習得にすぎないのではないかという不安がぬぐえない。

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高橋尚子の引退について

 マラソンの高橋尚子選手が引退を表明した。

 この人の魅力は、常に前へ進もうとするところにあると思う。

 私にとっては、金メダル取得前後の頃より、ケガや世間の声と戦いながらそれでも走ることをやめようとしなかった最近の方が胸を打たれる。

 どんなにつらい会見であっても笑顔を忘れず、他人を悪く言うこともなかったその姿勢は学びたいと思う。

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学校選び

 改めて来年の受験を決めたわけだが、通う学校をどうしようかと悩んでいる。

 この1年(+その前もだが)通った上でのメリット、デメリットを考えると、学校には通わないという選択肢に気持ちが傾く。

 もちろん費用のこともあるが、今まで通った学校であってもなくてもいろいろな割引制度があり、過度の負担にはならない。

 また時間についても、現在のアルバイト先に関しては10~18時の勤務時間を守ってくれており、少なくとも来年3月までこのままいけそうである。勉強時間を含めた生活リズムは確保できそうだ。

 問題は、学校で得られる効果だ。

 例えば、簿記のように汎用性の高い資格であれば、教授ノウハウも確立しやすいように思う。こういった場合であれば、受験校に通う意味もあるだろう。

 しかし中小企業診断士の場合、範囲が広いうえに各科目とも難易度はそこそこ高い。ばらばらなキャリアを持つ受講生に対しての教授ノウハウは、確立しやすいとは言い難いように思う。

 自分の経験を顧みると、授業に出ても分かったつもりになって終わっていたことが意外に多かったように思う。結局本試験の緊張した会場で真に実力を発揮できたのは、自分がああでもないこうでもないといろいろ模索したうえで理解したものが多かったように思う。

 まるっきり学校に通わないというのもどうかと思うが(特に2次試験対策)、次回の受験にむけては独力でやることをベースにしていこうと思う。

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「3時間遅れの2次本試験模試」を受けた

 一昨日(10/19)、LEC主催の「3時間遅れの2次本試験模試」を受けてきた。

 受ける前はくやしさや脱力感、ふがいない気持ちなどが混ざったかなりウツな気分だったが、受けてよかったと思う。

 科目間の休み時間が大幅に短縮されていたこともあり、終わった後はかなりくたびれた。

 出題の傾向は、変にひねったものはなく、きわめてオーソドックスな印象を受けた。

 また、解答の記述量が例年に比べやや減った印象を受けた。文字の総数はひょっとしたら同じくらいかもしれないが、設問数が増え、そのひとつひとつに短く答える、という傾向が見えたように思う(特に事例Ⅱ)。

 事例Ⅰ、Ⅱ、Ⅲについては、受験生の間で差はつきにくかったように思う。ただ事例Ⅳはかなり難解で、合否はここで決まるように思った。

 この模試を受けることで、だいぶ気持の整理がついた。資格取得に向けてもう一度チャレンジしてみようと思う。

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「3時間遅れの2次本試験模試」を申し込んだ

 LECのHPで10/10付で「3時間遅れの2次本試験模試」紹介されていた。

 韜晦でもなんでもなく、1次試験に落ちたことが分かって以来2ヶ月強の間、勉強は手つかずだ。

 そんな状況で受けてもしょうがないと思うが、このままだと確実に何もしないままずるずるといってしまいそうな気がする。

 リスタートを切るためのいい機会と思い、とにかく受けてみようと思う。

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“Non-profit”=「非営利」は適訳か? 2

 前回からの続き。

 さて、「営利活動」と言った時、商行為のうちどこまでの範囲を指すと思われがちだろう?

 一般的には、売買行為からして範疇に含まれるイメージがある。

 例えば、ある団体がモノを売ったとする。それがすなわち「営利活動」だとみなされがちだ。つまり、金銭を得るという行為を以って「営利活動」だとみなすことが多いように思う。

 厳密には、金銭を得るのは「収益」であって、「利益」ではない(利益=収益-費用)。よって「営利活動」ではないことになる。

 ただここで言いたいのは、言葉の辞書的な意味合いではなく、実際に人々にどのようなイメージを抱かせるかということだ。今年はNPO法10周年にあたる。「NPO」自体はすでに市民権を得た言葉だと思うが、一方でその意味するところは10年たってもまだ誤解されがちだ。

 「営利 or 非営利」を言葉の概念から説明しなくてはならないのであれば、それはネーミングとして失敗のように思う。

 したがって、「非営利」に代わる“Non-profit”の邦訳を考えたい。

 そもそも、「~でない」という名付け方はよくないと思う。「~でない」という付け方が有効となるのは、対極の「~である」方がよほど認識されている場合だと思う。

 欧米であれば、「営利」(profit)の概念がしっかり浸透しているのだろうから、「非営利」(Non-profit)が何を指すのかすぐにピンと来るのだろうと思う。

 しかし、日本では営利か否かを前面に出すのはかえって混乱を招く(実際この10年で実証済み)。

 そこで、NPOが「何をするのか」という点を考えてみたい。

 NPOの活動内容を見ると、ジャンルは様々ではあるが、次の点で共通しているように思う。

 ①活動の主体は市民

 ②営利団体から見ると、魅力を感じない分野

 ③行政から見ると、手をつけかねている分野

 要するに、「市民自身の手による、儲けにはならないが社会的意義のあるニッチな活動(をする組織)」と考えていいと思う(ちなみに「非営利」は、④財源は寄付など出資者へのリターンを要しないもの、からのネーミングだろう)。

 この活動内容を一語で表すと、「公益活動」が一番いいように思うのだが、すでにある種の団体に「公益法人」という名がつけられており、まぎららしくなる。

 「市民活動」だと漠然としすぎている。

 かと言って「市民公益活動」は長すぎる。

 「公僕活動」というのも考えたが、意味が広くなりすぎるし、公務員に近いイメージを与えてしまう。

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 ここまで考えたが煮詰まってしまった。また改めて考えようと思う。

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“Non-profit”=「非営利」は適訳か?

 先日に引き続き、NPOについて別の講演を聞いた。

 講演中に「収益」という言葉が出てきたためか、「営利 or 非営利」について再度問う聴講者がいた。

 分かりにくいと感じているのは私だけではないようだ。

 営利、収益、利益、収入・・・、並べると非常に分かりづらい。もちろん辞書を引けば厳密な意味が記されているが、実際の使い方を見ると、その厳密な意味どおりに使われているかはなはだ怪しい。

 例えば、「利益」は「収益(モノを売って得たお金)-費用(モノを売るのに必要だったお金)」のことだが、「株式会社は利益を上げないと」などと言う場合、「収益から費用を引いた最終残高(を多く残すようにしないと)」というよりも、むしろ単純に「売上(を上げないと)」というニュアンスを多く含んで使われているような気がする。

 この場合、「売上」は「収益」にあたり、「利益」ではない。

 また、「収益」という言葉はどれだけ一般性を持っているだろうか?

 「収入」ならまだ分かるが、「収益」と「利益」を並べられてどちらが何を指すか一般の人が一瞬で判断つくものだろうか?

 

 あるいは「費用」についてだが、この中に人件費が入るという概念はどれだけ浸透しているだろうか?

 もちろんこれは企業会計上そのようにみなすのだが、たいていの人は給料をもらう方の立場にある。その立場からすれば「会社の利益(厳密には「収益」)を上げるために働いた結果の報酬」という感覚が強いように思う。

 つまり、人件費は「費用」の中に含まれるのではなく、「利益(=収益-費用)」の中に含まれるとつい思ってしまいがちなのが一般的なような気がする。

 

 ちょっと整理してみると、厳密には、

   収益・・・・・・売上など

 -)費用・・・・・・人件費など

   利益

となるが、感覚的には、

   収益・・・・・・「利益」と混同しがち

 -)費用

   利益・・・・・・人件費も含まれると思ってしまいがち

となるような気がする。

 

 よけいな話が過ぎた。

 要するに、日本語の利益関係の単語は共通理解を得にくいように思う、ということを言いたかったのだ。

 そんな中で、“Non-profit”という概念を説明しようとして「非営利」という言葉を当てはめることが果たして的確と言えるのか、疑問に思った。

 

 思いのほか長文となってしまった。続きは次回。

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